RaspberryPi zeroW2をUSB bootさせる方法

Raspberry Pi Zero W2

Raspberry Pi Zero Wを完全にUSBブート(microSDカードを一切使用しない起動)させるには、内蔵されているOTP(ワンタイムプログラマブル)メモリの専用フラグを書き換える必要があります。

以下の手順に従って環境を構築してください。

1. Raspberry Piを通常起動する

まず、通常通りにRaspberry Pi OSを書き込んだmicroSDカードを挿入し、起動します。

2. ブートモードの変更(USBブートの有効化)

  1. ターミナルを開き、以下のコマンドを入力して起動設定ファイル(/config.txt)を開きます。
  1. ファイルの末尾に、以下の1行を追加します。
  1. 保存して終了します(Ctrl + O, Enter, Ctrl + X)。
  2. 設定を反映させるため、ラズパイを再起動します。

3. OTPの書き込み確認

再起動後、正しくフラグが書き込まれたかターミナルで確認します。

4. USBドライブのセットアップ

  1. パソコンで Raspberry Pi 公式サイト から「Raspberry Pi Imager」をダウンロードして起動します。
  2. 接続したUSBメモリ(またはSSD)に、好みのOSを書き込みます。
  3. 書き込みが完了したら、USBドライブを一度PCから取り外し、ラズパイに接続します。

5. USBから起動する

  1. microSDカードをラズパイから抜きます。
  2. USBドライブ(またはUSBハブに挿したUSBドライブ)を、ラズパイ本体のデータ通信用Micro-USBポートに接続します。
  3. 電源を供給すると、USBメモリから直接起動します。

メリット・デメリット

基本のメリット・デメリットは初代Zero Wと共通ですが、スペック向上により以下の部分に変化があります。

🔋 デメリット:消費電力がさらにシビアに

Zero 2 WはクアッドコアCPUに進化し、本体の消費電力が初代より増えています。

  • 初代以上に電源(5V / 2.5A以上)の安定性が求められます
  • 初代ではギリギリ動いていたスマホ用の充電器なども、Zero 2 WにUSBストレージを繋いだ状態では、電力不足(電圧降下)で高確率でシステムが落ちる原因になります。

🏎️ デメリット:USB 2.0の速度制限はそのまま

CPU性能は大幅にアップしましたが、USBポートの規格は「USB 2.0」のままです。

  • 高速な外付けSSDを繋いでも、データの転送速度自体はUSB 2.0の理論値(最大480Mbps)に制限されます。
  • そのため、「大容量化」や「SDカードの寿命回避」には効果的ですが、「劇的な読み書きの高速化」は期待できません。

🛠️ 結論として必要なもの

Zero 2 WでUSBブートをする場合も、以下の環境を推奨します。

  1. 電源:必ず Raspberry Pi公式などの 5V / 2.5A(または3.0A)のACアダプター を用意する。
  2. ストレージ:消費電力を抑えたいなら大手メーカー製のUSB 3.0対応USBメモリ。SSDを使うならセルフパワー(電源付き)のUSBハブを必ず経由させる。

SDカードの中身をUSBメモリへ

現在お使いのSDカードの内容を、そのまま引き継いでUSBブートに移行することができます。

アプリの設定、保存したデータ、ログイン情報、ネットワーク設定などもすべてそっくりそのまま丸ごとコピーできます。

移行するための手順は、ラズパイの画面(デスクトップ環境)があるかどうかで2種類の方法に分かれます。


方法A:デスクトップ画面(GUI)がある場合(一番簡単)

Raspberry Pi OSに標準搭載されている「SD Card Copier」というツールを使うのが最も簡単で確実です。

  1. USB機器を接続する:現在起動中のラズパイに、移行先となるUSBメモリやSSDを接続します。
  2. ツールを起動する:デスクトップ左上の「メニュー(ラズパイのアイコン)」⇒「アクセサリ」⇒「SD Card Copier」を開きます。
  3. コピー元とコピー先を指定する
    • Copy From Device:本体のmicroSDカード(/dev/mmcblk0 など)を選択
    • Copy To Device:接続したUSBストレージ(/dev/sda など)を選択
    • New Partition UUIDsチェックを外す(※チェックを外すことで、SDカードと全く同じ識別子を引き継げるため、設定ファイルを書き換える手間がなくなり、そのままUSBから起動できるようになります)。
  4. コピーを開始する:[Start] を押すとデータが上書きされる警告が出ますので、[Yes] を選んで開始します。
  5. 完了後:ラズパイをシャットダウンし、microSDカードを抜いてから電源を入れると、USBからそのまま同じ内容で起動します。

方法B:画面がない場合(CUI / SSH接続のみ)

画面がない(CUI)環境の場合は、ラズパイ専用の優秀なクローンツール「rpi-clone」をコマンドでインストールして使います。

  1. ツールのインストール:ターミナルで以下のコマンドを順番に実行します。
  1. USBのデバイス名を確認:USBストレージを挿し、lsblk コマンドで名前(大体 sda です)を確認します。
  2. クローンを実行:以下のコマンドでコピーを開始します(末尾は確認した名前。例として sda)。
  1. 途中で「本当に進めていいか?(yes/no)」と聞かれるので yes と入力します。
  2. 最後に「Hit Enter when ready to unmount…」と表示されたら、Enter キーを押して終了します。
  3. 完了後sudo poweroff で電源を切り、microSDカードを抜いてから起動すれば、USBからの起動に切り替わります。

⚠️ 移行前の最終チェック

現在のSDカードのままで前のステップで説明した「USBブートの有効化設定(program_usb_boot_mode=1)」と「再起動確認」をあらかじめ済ませておいてください。有効化されていれば、中身をコピーした後にSDカードを抜くだけで自動的にUSBから立ち上がります。

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